糖尿病予防のポイント
糖尿病は加齢や日常の生活習慣が誘因となって発病するため、「生活習慣病」といわれています。そして、糖尿病の患者数は年々増え続けています。糖尿病の発病には遺伝的な素因が深く関係しているため、親戚に糖尿病の人がいる場合にはとくに注意が必要で、さらに、誘因として、過食、運動不足、肥満、ストレスが挙げられます。
糖尿病の予防
食べすぎ(糖の取りすぎ)
食べすぎとは、必要以上のカロリーを摂取することで、摂りすぎた糖は中性脂肪に変えられ、肥満となり、さらに、インスリンの過剰分泌を引き起こしてすい臓の疲弊を招きます。
運動不足
運動の必要性は、過剰に摂りすぎたエネルギーを消費させることです。
ストレス
ストレスはいろいろな体の機能に影響します。ストレスによるヤケ食いは肥満と高血糖の原因となり、ストレスホルモン(副腎皮質ホルモン、アドレナリン)は血糖値を上昇させます。
カルシウム不足
インスリンは血糖値に反応して分泌されますが、この時にカルシウムが必要です。カルシウムが足りないと、インスリンが十分に分泌されません。
活性酸素
活性酸素は、インスリンを分泌する細胞を障害したり、糖尿病の合併症を促進したりします。
更年期
更年期になると、血中のコレステロールが増加し、高血糖による動脈硬化のリスクが高まります。
血行障害
血行障害により酸素や栄養素が運ばれにくくなると、エネルギーの消費が低下するとともに、細胞機能も低下します。
肥満と糖尿病
肥満は年々増加しています。肥満は糖尿病だけでなく、その他の生活習慣病の誘因にもなっています。厚生労働省の調査では、肥満と糖尿病の関係が明らかになりました。
年代別肥満者(BMI≧25)の割合1)
過去の肥満度と糖尿病の状況
糖尿病とは
糖尿病は血液中のグルコース(ブドウ糖)の濃度が高い状態が慢性化する病気です。主な原因として、すい臓から分泌され、グルコースが筋肉などに使われるように働きかけるインスリンというホルモンの作用が鈍ったり、十分に分泌されなくなることが挙げられます。糖尿病を放っておくと、血管や神経が侵され、網膜症、神経障害、腎症、動脈硬化など、様々な合併症がおこります。
糖尿病が引き起こすさまざまな合併症
糖尿病の人口
平成14年の厚生労働省の調査によると、医療機関で治療を受けている糖尿病患者数は約220万人でした。ところが、平成14年10月に行われた糖尿病実態調査では、糖尿病患者数は約740万人と推定され、糖尿病であることに気づかないでいる人や、あるいは気づいていても治療をしないでいる人がいかに多いかということを示しています。さらに、糖尿病の可能性を否定できない人 (いわゆる糖尿病予備群)を含めると、約1、620万人に達すると報告されています。
糖尿病が強く疑われる人と可能性を否定できない人の年齢別階級割合
糖尿病の誘因と予防
糖尿病の発病には遺伝的な素因が深く関係しているため、親戚に糖尿病の人がいる場合にはとくに注意が必要で、さらに、誘因として、過食、運動不足、肥満、ストレスが挙げられます。従って、糖尿病の発病と進行を予防するためには、これらの誘因を改善すること、すなわち、バランスよく「食べ」、「動き」、「くつろぐ」ことが大切です。