便秘を解消するには

お通じは毎日ありますか?食生活の欧米化に伴って、便秘の人が増えています。便秘になると大腸の中で有害物質ができ、これが吸収されて、肌荒れ、吹き出物、頭痛、肩こりの原因になります。健康の基本は、快眠、快食、そして快便です。便秘の解消法について、考えて見ましょう。

便秘の解消法

食物繊維を多くとる

便の嵩(かさ)を増やします。

善玉菌を増やす

善玉菌は有機酸を分泌して、大腸の運動を促進します。
さらに大腸の運動を抑制する悪玉菌の増殖を抑制します。

ストレスを解消する

自律神経のバランスが崩れると、便秘になります。

朝起きがけにコップ1杯の水を飲む

腸を刺激して排便への合図となります。

朝食を必ずとる

胃に食べ物が入ることで、胃結腸反射が起こり、便意が起こります。朝の排便により、外で便意をがまんしなくてすみます。

便意をがまんしない

がまんし続けていると、習慣性便秘になってしまいます。

下剤は正しく使う

過度の使用は、直腸の感受性を低下させます。

便秘の種類と原因

便秘は、その原因と症状によって大きく4種類に分けられます。

食事性便秘

食物繊維の少ない食事や食事量が少ないことにより、大腸を刺激しにくくなることが原因です。

食事性便秘

習慣性便秘

度重なる便意の抑制、下剤や浣腸の乱用による、直腸の感受性の低下が原因です。

習慣性便秘

弛緩性便秘

腸筋の衰えによるもので、腸がたるんで、便意を感じる力も、便を送り出す力も弱まってしまうためにおこります。

弛緩性便秘

けいれん性便秘

ストレスや自律神経のアンバランスにより、大腸にけいれんが起こり、そこが狭くなるために、便の通過が妨げられてしまいます。

けいれん性便秘

大腸の役割

大腸の役割

大腸は約1.6mの長さで、盲腸、結腸(上行・横行・下行・S状)、直腸に分けられます。大腸には消化作用はほとんどなく、水分を吸収して便を作り、排泄するのが役割です。

大腸の運動

大腸の運動は自律神経により調節されており、交感神経は運動を抑制し、副交感神経は促進します。
副交感神経が緊張すると、下痢になりますが、過度の緊張では、大腸にけいれんが起こり、逆に便秘になります。

大腸の運動

便秘解消のための食生活

腸内細菌

乳酸菌やビフィズス菌などの善玉菌は有機酸を作り、大腸内のpH(ペーハー)を弱酸性にし、大腸を刺激して、運動を活発化させます。

腸内細菌

食物繊維

食物繊維は消化されず、大腸の内容物の嵩(かさ)を増やすことで、大腸を刺激して、運動を活発にします。

食物繊維

朝食

朝は胃が空っぽの状態ですが、胃に食物が入ると、その刺激が大腸に伝わり、大腸の運動が起こります(胃結腸反射)。朝食を摂る事は朝の便通に必要なのです。

朝食

大腸の長さ

日本人の主食は本来穀類ですので、消化に時間がかかるため、肉類を主食とする欧米人に比べ、約1.5倍の長さといわれています。そのため、日本人が肉食中心の食生活になると、悪玉菌の増殖を促進して、大腸の運動が低下します。

女性と便秘

厚生労働省による平成10年度の247,662世帯を対象とした国民生活基礎調査によれば、女性の方が男性より数倍も便秘が多いと報告されており、全体では、男性1.86%、女性4.67%で、女性は男性の約2.5倍の頻度となっています。

女性と便秘

女性に便秘が多い理由

  1. 黄体ホルモン(プロゲステロン)の分泌
    黄体ホルモンには体内に水分を溜め込む作用があり、大腸で便の水分の吸収が促進されます。
    このため、月経の前や妊娠初期に、便秘になりやすい傾向があるようです。
  2. 男性に比べ腹筋力が弱い
  3. 外出先で排便の我慢
  4. 無理なダイエット
    少食と食物繊維の不足による食事性便秘。
  5. 更年期自律神経の不安定状態から、けいれん性便秘になることがあります。