メタボリック症候群 予防のポイント
おなか周りが85cmを超えると「予備軍」。
加えて血圧や血糖値、また中性脂肪のどれか2つが高めだと、しっかりと「メタボリック症候群」の患者になってしまうなんて・・「内臓脂肪」を減らさないといけないなあ。
メタボリック症候群の予防
日常生活に運動習慣を!
運動不足は肥満への第一歩。
- 通勤時のエスカレーターを階段に変える
- 週に3日、1駅手前で降りて歩く
- 買い物に行くときの自転車を、歩きにするなど、日常生活に取り入れると、継続しやすいですよ。できることから始めてみましょう。
食物繊維をたくさん摂る
食物繊維には、余分な糖分や脂肪分の吸収を抑え、体外への排泄を促す働きがあります。また、食物繊維はローカロリーで満腹感も得られるので、カロリーオーバーを防いでくれます。
脂は植物性や魚類のものを摂る
動物性脂肪は悪玉コレステロールを増やし、魚の脂や植物性脂肪はコレステロールを下げる作用があります。
ビタミン、ミネラルを不足させない
現代人に不足しがちなビタミンやミネラル。これらは、悪玉コレステロールが酸化して血管壁にへばりつくのを防いだり、心疾患の危険を低めたり、実に様々な働きをしています。
メタボリック症候群ってなあに?
肥満(特に内臓肥満)がベースにあり、脂質異常症、高血圧、高血糖のうち2つ以上が該当する、もしくは予備軍の状態を、メタボリック症候群といいます。
セルフチェック
- 肥満
男性・・・腹囲が85cm以上である
女性・・・腹囲が90cm以上である - かるい脂質異常
中性脂肪値が150mg/dl以上である
HDLコレステロール値が40mg/dl未満である - 血圧が高め
最高血圧値が130mmHg以上である
最低血圧値が85mmHg以上である - 血糖値が高め
空腹時血糖値が110mg/dl以上である
1.に加え、2.~4.のうち2つ以上当てはまると、メタボリック症候群です。
メタボリック症候群の原因
メタボリック症候群の第一の原因として、肥満が挙げられます。
肥満になると、脂肪組織や筋組織で糖を取り込む能力が低下します。すると、糖の代謝に必要なインスリンがうまく働かなくなり、やがてインスリンの分泌が低下してしまいます。
インスリンの分泌の低下は、糖尿病や高血圧、脂質異常症の危険性を高めます。
肥満には2種類ある
りんごと洋ナシ、あなたの体型どちらに似ていますか?
りんご型のあなたは、腸や胃、肝臓などの内臓の周りに脂肪が蓄積した「内臓脂肪型」です。メタボリック症候群に関係するのは、りんご型肥満です。
洋ナシ型のあなたは、下腹や腰周り、太もも、お尻周りなどの皮下に脂肪が蓄積した「皮下脂肪型」です。
メタボリック症候群の治療
メタボリック症候群と診断されても、その人に何か具体的な症状が現れている場合はほとんどありません。検査してみると、内臓脂肪が多く、脂質異常症、高血圧、高血糖の傾向がある、というだけです。
したがって、治療といっても、お医者様はすぐに薬を服用するように指示をしたりはしません。まず、内臓脂肪を減らすための生活指導、すなわち食事指導と運動指導から始まります。心構えは「健康的にやせる」、具体的には正しい食事と適度な運動で「3ヶ月かけて肥満体重を5~10%減量させ、その後は維持する」ことにより、メタボリック症候群はほとんど治ってしまいます。
食事療法と運動療法
食事療法
- 甘いもの、油の多いものを避けます。
- 野菜をたっぷり、タンパク質をしっかりとります。
- 早食い、ドカ食い、夜食をやめます。
運動療法
- 1日1万歩を目標に歩きます。
- 「もっと体を動かす」事を心がけます。
- がんばり過ぎない、怪我をしない。
内臓脂肪が多すぎるとなぜいけないの?
脂肪細胞は口から食べたものをエネルギーとして蓄えてくれる大切な細胞です。この蓄えがあるから、ずっと食べ続けなくても運動したり、考えたりすることができるのです。
それに、脂肪細胞は食欲をコントロールする物質など善玉因子も作ってくれています。
でも、食べ過ぎて運動不足になると脂肪細胞が大きくなり、善玉因子の量が減って、糖尿病や血管の病気を引き起こす悪玉因子を作り始めるのです。これがメタボリック症候群の始まり。この状態を放置して同じ生活を続けていると、並んでいるドミノが次々と倒れるように、糖尿病や動脈硬化症が進行し、ついには寝たきりの生活を余儀なくされるのです。
糖尿病発症リスク・・・7~9倍
心筋梗塞や脳卒中の発症リスク・・・約3倍
これは、メタボリック症候群の人が通常の人に比べて発症する病気の確率です。